付帯工事とは?
建設業者は建設業許可を受けた業種以外の建設工事を請け負い、施工することを禁止されております。
しかしながら、建設工事の目的物は、各種専門工事の組み合わせにより施工されることが多く、これをあまりに厳格に区分することは、建設取引の実情にそぐわないことに加え、請負人や注文者にとっても不便になります。
このことから、建設業法4条では、建設業者が許可を受けた業種の建設工事を施工するにあたり、当該建設工事に「付帯する工事」であれば、許可を受けていない業種の建設工事であったとしても、これを請け負い、施工しても問題ないという規定がございます。
なお、建設業法26条の2第2項では、500万円を超える付帯工事(いわゆる軽微でない付帯工事)を施工する際に、その的確な施工を確保するために主任技術者又は主任技術者に相当する者を設置して自ら施工するか、当該専門工事の許可を受けた建設業者に請け負わせて施工させるべきとしております。
付帯工事か否かの判断基準
建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等を基準としており、当該建設工事の準備・実施・仕上げ等により、一連または一体の工事として施工することが必要または相当と認められるか否かが総合的に検討されるもので、主たる工事と当該工事との工事費の多寡によって定まるものではありません。
付帯工事の例
①主たる建設工事の施工をするために必要な他の従たる建設工事のケース
石工事業者が石垣を築造するにあたって基礎部分の掘削やコンクリート工事を施工する場合が該当します。
②主たる建設工事の施工をすることにより必要が生じた他の従たる建設工事で、独立の使用目的に供されるものではないとされる工事のケース
管工事業者が、既存の建物に連暖房工事の配管をするにあたって壁体をはつったり、熱絶縁工事をしたり、施工後に内装仕上げ工事をする場合が該当します。
③施工内容が左官工事(主体)、大工工事(付帯)のケース
モルタル補修のための下地を修正することは大工工事に該当するが、この工事は左官の目的のための付帯工事であるため、大工工事業の許可を受けていなくても左官工事業の許可を受けていればよいとされています。